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先日の”行政書士は見た”のテレビ放送でも、子供がいない夫婦が遺言書を書くことが増えていると、行政書士の方が話していました。

今更の話ですが、なぜ子供がいない夫婦の場合に、妻に全財産を相続させるには、遺言書を作成する必要があるのかを、あらためて考えてみたいと思います。

 まず、遺言がない場合は、遺産は法定相続分で分けるか、相続人全員で遺産分割協議をして分けるかになります。

 ちなみに、子供がいない場合の法定相続分は...

 妻:3分の2 夫の両親(直系尊属):3分の1

 夫の両親(直系尊属)が死亡していれば

 妻・4分の3 夫の兄弟姉妹(死亡の場合はその子供):4分の1

 ..となります。 

(昭和56年1月1日以降に相続開始の場合)

遺言書がなければ、夫婦が協力して築き上げた財産であっても名義が夫になっていれば、基本的に夫の両親や兄弟に、印鑑を貰いに行ったり、いくばかりかの金銭を支払うことになります。
ここで、妻に全財産を相続させるという遺言書があれば、相続人全員で遺産分割協議をしたり、基本的には相続人全員の署名捺印や印鑑証明書を集める必要がなくなります。

 ...で、忘れてはいけないのが、かの有名な遺留分の話です。

 遺留分権利者は、相続人のうち、兄弟姉妹を除く相続人であるとされていますから、夫の両親(直系尊属)には遺留分があります。

次に、夫の両親(直系尊属)が死亡していれば、兄弟姉妹には遺留分がありませんし、兄弟姉妹が死亡していても、その子には遺留分がありませんから、遺留分の請求を受けることがなくなります。

 ...と言う事で、子供がいない夫婦で、両親が他界していて、兄弟が存命の場合、ご主人が奥様に全財産を相続させたいと思うのでしたら、遺言書の作成、特に公正証書で遺言書を作ることをお勧めします。 

このほか、夫婦がそれぞれに資産構成をする事が増えてきたのか、夫の財産は妻に、妻の財産は夫にと、同時に、別々の遺言書を作成するケースが増えてきているように思います。