その時がきたら、すぐに遺言書を使って不動産の名義を変えよう..とかの話って結構多いと思います。
ところが、遺言の方式によっては、”すぐに”ってのが、出来ない時があります。
公正証書遺言の場合は、その遺言書を使って、すぐに、例えば相続を原因とする所有権移転登記をすることが出来ますが、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所に”検認”を請求しなければならないからです。
この検認、申し立てに必要な書類をそろえ、家庭裁判所に請求するのですが、この申し立てに必要な書類の一つに、遺言者の戸籍(除籍,改製原戸籍)(出生時から死亡までのすべての戸籍謄本)各1通ってのがあり、予め取得できるものすべてを揃えておくのは別としても、結構な時間がかかります。
特に遺言者が高齢の方の場合、除籍謄本、改正原戸籍謄本が複雑になっている場合が多く、全部をそろえるのに時間が掛かります。
そのうえ、必要書類の収集がうまくいっても、申し立て後に家庭裁判所から、遺言書検認の期日を相続人全員に知らせ、その上で検認期日が開かれるのですから、それなりの時間がかかり、遺言者が死亡したからと言っても、すぐに不動産などの相続手続きをするのは無理があると思います。
手続きを順調に進めるためには、予め必要書類をそろえておいたり、家庭裁判所に時間的なことを確認するなどの準備が必要です。
..そんなかんだで、面倒な検認が不要な、公正証書遺言をお勧めしています。