遺言書の”ご署名日”、法律用語でもなけれな、インターネットで検索しても、ヒットする言葉ではありません。

公正証書遺言をするとき、何度か遺言者や公証人と打合せを重ね、最後に公証役場や病院、自宅などで、遺言公正証書に遺言者、証人2名、公証人の全員が署名押印をして遺言書を完成させますが、この日を私は”ご署名日”と呼んでいます。

遺言者にとっても、関係する周囲の方々にとっても、いわば運命の分かれ道になる日ですから、業務として担当する私にとっても大事な一日となり、その日は朝から緊張します。

ご署名日の当日、前夜も確認した書類に何か見落とした事項がないか、関係書類と原案写しを見比べて打ち間違などが無いか、遺言者や公証人に伝達すべき事項は全部伝えてあるか、依頼者との待ち合わせ時刻、場所、そこに行くまでの経路までを、再度確認します。

そして、最後に、使う書類が入った書類ファイルを人差し指でさして、丁度電車の運転手さんがするように「よし!」と、小さく言うのです。

縁起担ぎというか、自分自身にカツを入れるというか、とにかくこの「よし!」を言わないと、自分自身が納得しないのです。

そして、いよいよ、遺言者様、証人との待ち合わせ場所に向かいます。

殆どの場合、遺言者、証人とは、公証役場予約時間の10~15分程度前に、公証役場の最寄り駅改札口前などで待ち合わせをします。

待ち合わせ場所からは、雑談などをして遺言者様の緊張をほぐすことに注意しながら公証役場に向かい、30分~45分程度で署名押印を済ませ、遺言公正証書の出来上がりとなります。

そして、公証役場の前で遺言者様とお別れをし、遺言者様の姿が見えなくなるまでお見送りをして、”ご署名日”の仕事が終わりとなります。

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