縁あって、自宅から徒歩で10分ほどのところにある司法書士事務所に就職したのは、昭和55年6月でした。

 新築したばかりの4階建てビルの2階が事務所で、司法書士1(本職)名に補助者4名の構成でした。

 幅広い顧客を持っていましたが、どちらかと言うと、金融機関がメインで、事務所、法務局、銀行支店を回る毎日でした。

 書類作成は、手動式の和文タイプライターに、和紙3枚の間にカーボン紙2枚をサンドイッチにして、活字を打っていきます。パタパタと。

 で、相続登記は数知れず申請しましたが、現代の司法書士さんと異なり、預貯金の相続手続きは、ただの1件もやりませんでした。

 少なくとも、14年ほどの間はですが。

 当時は、預貯金の相続手続きを代理するなんて、考えもしませんでした。毎日の登記申請で目一杯でした。

 あの頃から、遺産整理だとかを業務ととらえていたら、儲かったかな?と思うときがあります。

 この事務所の本職、47歳で死亡されました。たぶん、仕事のしすぎだった様に思います。

 今の仕事の行政書士、遺言や相続をメインにしていますが、この当時の経験や人脈が基礎になってます。