ご相談で多いのが、自筆証書遺言で、妻のため、夫のためとか、あとに遺った配偶者のことを考えてのものです。

 実際に書かれた自筆証書遺言を拝見すると、書籍で学ばれている方も多く、必要な要件を満たしていて、そのまま使えそうな事も多いのですが、必要な要件を満たしているのと、遺言者が意図している内容が十分に書かれているのとは、違います。

 夫婦仲が良くても、一緒に遺言書を書くのは出来ないので、別々に書いたまでは良いのですが、夫の遺言書に書くべき事を妻の遺言書に書いてしまったり、その逆であったり、それぞれの遺言書の内容を確認すると矛盾が出たりと、なかなか上手く書き切れていないケースも目にします。

 せっかく書いておいた自筆証書遺言が使えないケースって多く見ているので、最終的には公正証書遺言をお薦めすることになるのですが、後の祭りにならなければと思います。